「使える(使いやすい)補助金・助成金」その②の1


「助成金・補助金のプロ」は絶対に読まないでくださいm(__)m
 



前回は、使える(使いやすい)補助金・助成金のうち「比較的使い勝手が良く、手続きも煩雑でないおススメの制度」について話しましたが、今回は、

・大変だけど、メリットが大きいからチャレンジしてほしい制度

である、

・人材開発支援助成金(有期実習型訓練)
・ものづくり補助金

について、なるべく分かりやすくお話しします。
 



★人材開発支援助成金(有期実習型訓練)

前回の記事で話した、「人材開発支援助成金(正社員向け訓練)」との一番大きな違いは、対象者が「非正規労働者」だという事。正社員には使えません。

初めてチャレンジするならめちゃくちゃ大変です。何が大変って、

(a)長期間(3~6か月)、長時間の訓練が必要
(b)訓練カリキュラムやスケジュールを、詳しく書く必要がある
(c)計画提出前に、キャリアコンサルタントの面談を受ける必要がある
(d)ほぼ毎日、訓練日誌を手書きで書く必要がある

という事。特に大変なのは(d)です。

受講したのはどのカリキュラムか、具体的に何をやったのか、受講して何を感じたかなど、毎日ちゃんと書かないと、訓練を実施したと認められません

原則、「実施時間×760円」が受給できるので、助成金額も必然的に大きくなります、アバウトに、1人30~80万円くらいになります。

詳しくは書きませんが、

・新人に対して、同じ場所で教えられる先輩、上司が常に1名以上いる(テレワークでOJTは認められない)
・研修をしっかりやりたいし、訓練日誌も業務の一環としてやらせたい

という中小企業なら、チャレンジしてほしい助成金です。
 



★ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)

10年近く前から実施されている、最もメジャーな大型補助金です。概要は次の通り。

< ものづくり補助金 概要 >
・ほぼ1年中、申請可能
・1次、2次、3次・・・・と、微妙にルールが変わり、それぞれ締切日が異なる
・(8次は11月11日締切、9次は2月8日締切)
・対象企業:一部を除く中小企業、大企業、個人事業主
・補助率:原則2分の1(一部は3分の2)
・補助金上限額:1,250万(グリーン枠は2,000万)
・補助対象経費:機械装置費、ソフトウェア購入費、運搬費など

・その他:建物や内装費用は対象外。車、スマホ、PC、空調などの「何にでも使えるもの」も原則NG。

アバウトに「何をすれば補助金がもらえるか?」について、よくある採択事例2つでお伝えします。

例1)ケーキ製造業者が最新のオーブンを導入し、生産性2倍、納期を30%カットする
例2)介護事業者が新たな介助ロボットを導入し、スタッフの負担を大幅に減らす

少しだけイメージが湧きましたでしょうか? ご覧の通り、製造業だけでなく、サービス業(介護事業者)も申請可能です。業種は特に限定されていません

逆に、ものづくり補助金でダメ(採択されない)な例を出すと「最新型の機械を買っただけ」とか「老朽化した設備の買い替え」など。
こういう「書き方」では100%採択されません。

ただし、取り組む事業をよく整理して「書き方」を変えるだけで採択されるケースがあります(というか、当社がサポートする大半がそれ)ので、事業計画書はストーリー仕立てで書きましょう。

採択事例でよく出るキーワードは、

・生産性向上
・短納期化
・内製化
・自動化
・新製品、新サービスの開発
・都道府県初、地域初、業界初
・IoT
・AI
・ロボット

こんなところです。過去の採択事例(事業計画名と企業名)は、全てインターネットで公開されていますので、「あ、これウチの会社がやりたい事に近いかも」という事例を探してください。

申請から交付までの流れはアバウトに、

電子申請→ 交付申請 → 交付決定→ 事業実施 → 実績報告 → 補助金の交付

という感じ。

次のポイントは「加点」です。ものづくり補助金では、加点項目数と採択率が完全に比例します。加点項目は、「頑張って取れるもの」と「頑張っても取れないもの」に分かれますが、取れるものは全て取ってください。

面倒くさそうという理由だけで加点をあきらめるなら、この補助金自体をあきらめてください。おそらく、そのような会社をサポートしてくれる専門家もいないでしょう。

ものづくり補助金は、採択率30~40%の厳しい競争(コンペ)です。他社も全力で戦いに挑みますので、手を抜いた時点で試合終了です。

なお、初めて申請する場合に注意してほしいのは、原則、“交付決定日”以降に設備の発注、業者への支払い、設備の導入をしなければならない、という事です。仮に「交付決定日の1日前にお金を振り込んじゃった!」となったら、即アウトです。

ただ、もし2022年度も「事前着手の承認制度」が残っているなら、交付決定前に事業実施が可能となるので、絶対に申請してください(迷う理由は無し)。

そして、事業計画書の内容も当然大事になるわけですが、自社申請するなら、ネット、書籍等で調べるしかありません。有料のノウハウもけっこう販売されていますが、数万~十数万円で買えるものもあるので、試すのもアリだと思います。

あとは、以前の記事でも話した「ロカベン(ローカルベンチマーク)」もやってください。100%、作ったロカベンは役に立ちます。

もっと言うと、まずは「そもそも要件に該当するのか(申請可能なのか?)」の確認を最初にする必要がありますので、そこから始めましょう。
要件確認から事業計画書作成、添付書類の作成まで、自社申請だとざっくり50~80時間は必要ですので、ぜひ頑張ってください。

なお、補助金を受けてからの注意点(5年間の報告義務、収益納付、最低賃金要件など)もたくさんありますが、書いたら1冊の本になってしまうので(笑)、省略します。
 



今回は、

「使える(使いやすい)補助金・助成金」その②の1として、

・人材開発支援助成金(有期実習型訓練)
・ものづくり補助金

についてお話しました!

次回は、

「使える(使いやすい)補助金・助成金」その②の2として、

「事業再構築補助金」

についてお話します。

< 次回に続く >
 



※本文中、単に助成金とあれば「厚労省の助成金」、単に補助金とあれば「省庁実施の補助金」という意味です。
※「助成金等」→「助成金、補助金」を指します。
※正式名称ではなく、分かりやすい名称で呼んでいる事もあるのでご了承ください

 


 

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