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電子書籍2冊目「助成金 社労士が経験した”リアル“な不支給事例7+11」 書籍の内容”ほぼ”全文公開④回目

電子書籍2冊目「助成金 社労士が経験した”リアル“な不支給事例7+11」 内容公開! 

第2章 支給申請したが“不支給”決定となったケース(の続き)

・不支給事例④ 健康診断の受診項目が不足しまくっていた(キャリアアップ助成金・健康診断コース) 【 実体験 】  

キャリアアップ助成金(健康診断コース)は、当社では申請する機会が多くない助成金です。過去に3件くらいかな。にも関わらず、そのうち2回(それぞれ別の事業主で)不支給がありました(笑)ここでは、その1つ目の事例を話します。

実を言うと、このケースでは、支給申請の書類を揃える時に「なんか怪しいな~」と感じていました。この助成金の要件を超アバウトに言うと、

要件1:雇用保険の被保険者である、パートやアルバイトに対して
要件2:定期健康診断などを実施する

というもの。まあ、とってもシンプルです。そしてこの事例で引っかかったのは、

「定期健康診断の項目がめちゃくちゃ不足していた」

という部分です。定期健康診断の診断項目は法律上決まっています。それを全部やらないといけません。一部、「医師の判断で省略可能」な項目もありますが、あくまで医師の判断。事業主が勝手に、「君は若いから、視力、聴力検査はしなくていいよ」とか、「君は体力あるからレントゲン検査はいらないよ」なんて、言って良いわけがありません

もちろん、当社からも最初に口を酸っぱくして伝えます。というか、分かりやすいExcelや資料を作って「この資料をそのまま病院に見せてくださいね!」と伝えます。口頭で伝えたって忘れますし、メモも取ってくれない人がいますからね。

そこまでお膳立てしてやっているにも関わらず、なぜかやらない(笑)そういう事業主に限って、不支給は起こります。

ちなみに、助成金の支給申請期間は前述の通り、ほとんどが「2ヶ月間」です。当社では、余裕を持って準備を進めます。たとえば期限が2021年9月30日なら、7月上旬には連絡します。「●月分のタイムカード、給与明細、●●を実施した事が分かる書類を全て当社に送ってください」という感じです。

この事業主にもかなり早めに伝えました。が、資料が全然出てこない。顧問先じゃないですから、こっちは事業主の情報なんて何も把握していないわけです。提出してくれないと確認しようもない。。。

で、期限の3日前になって届いたのですが、「あれれ?」と。どうも、項目に抜けがある気がしたんですね。当社で作ったExcelをもとにチェックするわけですが、どう見ても足らない。なので、事業主に電話しました。

著者「●●さんが×月×日に受診した健康診断、△△検査って受けてますか?」
事業主「はい、受けていると思いますよ」 ( いやいや、思いますってw )
著者「診断結果票を見ても、見つからないのですが・・・・」
事業主「いえいえ、受けてもらっていますよ」
著者「・・・じゃあ、すべて受診したという事で、項目すべてにチェックを入れて支給申請していいですか?」
事業主「はい」

まあ、この時点でアウトっぽいですよね。そして当社が支給申請した結果、当たり前ですが、労働局から「これだと不支給になりますね」と電話連絡が(笑)

結論的に不支給とはなりましたが、不足項目を追加で受診するか、あらためてもう一度、定期健康診断を受診させる(今度こそ全項目受診させる)という対応をすれば、受給できていたはずです。ただ、それ以来付き合いがありませんので、その後やったかどうかは知りません。

いずれにしても、この事例から学べることは下記2点です。

・資料は余裕をもって揃える(社労士に提供する)
・社労士に言われた事は、100%守る

厳しいですが、経験のある社労士の指示を守れないなら、助成金は最初から取り組まないほうが無難です。時間とお金のムダですから。

 


・不支給事例⑤ 雇用保険の被保険者ではなくなっていた(キャリアアップ助成金・健康診断コース) 【 実体験 】  

先ほどと同じ、キャリアアップ助成金(健康診断コース)の事例、その2です。先ほど、

「要件1:雇用保険の被保険者である、パートやアルバイトに対して、」

と書きましたが、この要件1が原因で不支給となりました。

この助成金は、「対象者に、延べ4名実施すればOK」となっています。延べ4名なので、

・対象者1人に4回(1×4)
・対象者2人に2回ずつ(2×2)
・対象者4人に1回ずつ(4×1)

のいずれでもOK。

で、この会社では、「対象者2人に2回ずつ(2×2)」という計画を立てていました。定期健康診断を1年に1回やって、2年かけて延べ4名にしましょう、と。

ところが、対象従業員のうち1名が、

・1回目の実施時点(1年目)では雇用保険の被保険者だった
・2回目の実施時点(2年目)では、雇用保険の被保険者でなくなっていた

という変更が起きていたのです。かつて雇用保険の被保険者だったとしても、実施時点で被保険者でなければ、「延べ4名」にはカウントされません。

この話は、受任する時にしっかりと社長に伝えて、承諾をもらっていました。若いわりに、かなりしっかりした社長でした。が、こんな事が起こってしまった。どうしてか?

なんと、途中でその社長が解任されたんですね。これはかなりレアケースです。当社が受任をした時は、Xさんが社長だったのですが、その数か月後に、お家騒動に巻き込まれて、追い出されて解任されちゃったそうで(苦笑)。

で、著者もX社長から「私は1週間後に解任され、会社も去ります。新社長にはAが就任し、助成金についてはY部長にすべて引き継いでいます」と直接メールをいただいていました。

引継ぎは社内の問題なので、受任した社労士には基本的に関係ありません(ここは顧問先でもありませんし)。ですが、レアケースですし心配でもあったので、助成金の新担当者Y部長に連絡したところ「前社長から引き継いでいます」という回答がありました。

が、おそらく細部までは引継ぎ出来なかったんでしょうね。当社としても、すでにX社長に何時間もかけて説明した内容を、もう一度漏れなくY部長に説明する事はしたくありません。それに、一方的に解任、追放したんだから、勝手にそっちで引継ぎをやってくれ、と思います。ひとこと「助けて下さい」とでも言ってくれれば対応しましたが、そんな相談もありませんでした。

話を戻すと、雇用保険の被保険者じゃなくなっているなんてこっちは知らないから、フツウに支給申請して、フツウに労働局から「不支給です」って電話があったと(笑)

ただ、さっきの事例もそうですが、「不支給だからと言って完全アウト」ではない場合があります。

この事例だと、あくまで「延べ4名に達していなくて、3名だったよ」って事。つまり、あと1名追加で実施すれば延べ4名に達するという事です。ただそれだけの事。3名やったんだから、あと1名なんて簡単です。ここであきらめるのは絶対にもったいない。あと1名実施して、再度書類を揃えて支給申請するのがフツウでしょう。

・・・が、どうなったと思います?

なんと、X部長から来た回答は「面倒くさいのでもうやめます」というものでした。まあ、やるやらないは事業主の自由ですから、止める事はできません。会社に乗り込んで、力づくで説得するなんて事も出来るわけがありません。

ただ、「そういう理由であきらめるのであれば、助成金が支給されない事はもちろん、当社が動いた分の報酬はいただきますよ?」と伝えたところ、X部長から、

「助成金の制度について、ちゃんと知らされていなかったので、お支払いは難しい」

という衝撃の回答が返ってきました。裁判を起こせば勝てそうですが、それこそ、「面倒くさいから」しませんでした(笑)時間のほうが大事ですからね。その後、その会社とは一切関わっていません。

著者からこの会社にアドバイスできる事があるとすれば、

・社長を解任、追放するなら、細部までちゃんと引き継ぎしてね(それが出来ないなら、せめて一社員として会社に残してね)

という事でしょうか(笑)

 

・不支給事例⑥ 実施の順番を間違える 
 ここにきてようやく、実例ではない話が出来ます。ただ、おそらく多くの自社申請で起こっている事例だろうと、想像できます。

前章の「おおまかな流れ」で話しましたが、助成金には順番があります。1つ具体例を出しましょう。キャリアアップ助成金(正社員化コース)を、初めて取り組む事業主は、下記の事項を順番に実施する必要があります。

①対象者を非正規従業員として雇い入れる(所定労働時間に応じて雇用保険、社会保険に加入させる)
②キャリアアップ計画書を作成し、労働局に提出する
③キャリアアップ計画のスタート
④転換規定が入った就業規則の施行
⑤対象者を正社員に転換する
⑥支給申請

例のごとく、超アバウトに書きました。

それにしても、助成金では「日付」が本当に重要だとつくづく思います。「たった1日の違いで数百万円が消える」くらいに考えています。日付(段取り)を間違うと、取り返しがつかない。極端に言うと、「日付が全て」。それが1億円超の助成金申請をしてきた著者が思う、率直な実感です。

さっきの①~⑥で言うと、①と⑥は、前後するという事が物理的にあり得ません。問題は、②~⑤です。これ、③キャリアアップ計画のスタートや、③就業規則の施行よりも「④転換」が先になったらNGです。一切の言い訳無用で「不支給」で終わります。②③④は順番が前後してもOK。また、③④と⑤は同日でもギリギリOK。

いくつかパターンを書きます。

< OKパターン >
③2021年2月1日 に計画スタート
④2021年3月31日 に規則の施行
⑤2021年4月1日 に転換


< OKパターン >
③2021年3月1日 に計画スタート
④2021年2月15日 に規則の施行
⑤2021年4月1日 に転換

< ギリギリOKパターン >
③2021年4月1日 に計画スタート
④2021年4月1日 に規則の施行
⑤2021年4月1日 に転換

< NGパターン >
③2021年4月2日 に計画スタート
④2021年4月2日 に規則の施行
⑤2021年4月1日 に転換


伝わりましたでしょうか?これはキャリアアップ助成金(正社員化コース)の例ですが、他の助成金も似たようなものです。かつ、

・(社保の加入要件を知らなかったため)さかのぼって雇用保険や社会保険に加入させる
・(単純なミスによって)さかのぼって何らかの手当を支給する
・(雇用契約書の締結を忘れていたため)さかのぼって、雇用契約書を作る

という事もあり得るので、そうなると余計に混乱します。さかのぼりが発生すると、助成金の経験に加えて労務の知識も必要となります。この状況で自社申請する中小企業は、ある意味尊敬に値します。ただ。受給できなければ、かかった時間も手間も水の泡ですけどね。

おそらく、順番、段取りを間違えて、多くの自社申請が不支給となっているんじゃないかと思っています。あくまで個人の見解ですが、それくらい中小企業でキッチリしている会社が少ないという事です。ほんとね、日付をなめたら大火傷しますよ(苦笑)
 

(次回に続く)

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