台風による休業には休業手当(基本給の60%)が必要?

2018年10月2日

さて、助成金も補助金も、特にこれと言って書くことがないので(今アツいのはIT導入補助金ですが)、最近問い合わせが多い件について。タイトルの通り、「台風で会社やお店を休みにした場合、従業員に対して会社は休業手当を支払う必要があるか?」です。

※ちなみに「休業手当」とは、本来仕事をする日なのに会社側の責任で休みになった場合、会社が平均賃金の60%を労働者に支払いなさい、という労働基準法のルールです。

で、さっきの疑問についてインターネットで調べると、多くは、

「台風による休業は会社責任ではないから、休業手当を支払う必要は無い」

という結論みたいですね。ただ、実を言うと、これは正解とは言いきれません

仮に「台風だから、ウチは全店休業にした。別に会社責任ではない、天災事変の1つだ」と言っても、じゃあ「台風だから、なぜ休業にしたの?」という問題が生じます。

①公共機関が全く動かず出勤不可能だった
②地下鉄は動いているから、出勤可能ではあったが従業員の安全を考え休みにした
③公共機関もだいたい動いていたが、他の会社が休みにしているとニュースで見たから休みにした
④公共機関は通常運行だったが、おそらくお客さんが来ないだろうから店を開けても無駄なので休みにした

その理由によって、休業手当の支払い義務が生じるかどうか判断は分かれます。おそらく①であれば支払い義務は生じないでしょうし、労基署や裁判所に訴える人もいないでしょう(笑)

②については従業員の事を考えていて素晴らしいのですが、これは会社責任による休業と判断され、厳密に言うと休業手当の支払い義務が生じるでしょう。とは言っても、この状況で労基署や裁判所に訴える人も、まあいないと思います。

④はどう見ても会社責任による休業なので、休業手当の支払い義務が生じますし、これだと労基署くらいなら訴える人がいるかもしれません。

③は、なんとも根拠として弱いですよね(笑)他人が死んだらアンタも死ぬんかいというか、経営者だったら自分でロジックを持って考えろよって話。この場合の判断は結局、「その日、公共機関の動き等がどうだったか?休業させる必要が本当にあったか?」が審議されるので、一概にどうとは言えません。

結局、法的義務が生じるかどうかよりも、「やった事に対して文句を言ってくる従業員がいるかどうか」が重要って事ですね。度合いもよりますが、②のやり方は悪質でも何でもないですからね、これで会社に支払い義務が生じるって事が、僕はそもそもおかしいと思います。

で、従業の不満を生んだしないために、従業員に対して不公平な扱いをしないって事も重要です。ベテランに対しては休業手当を支給するけど、新人やパートに対しては休業手当を支給しないとか、これはマズイですね。僕が従業員なら間違いなくムカつきます(笑)休業手当を支給するなら、原則として全従業員を対象としてください

今年はJRの計画運休とか、これまでに無い事態が起こっていて会社もどう対応すべきか困っているようですが、今回の記事をヒントにしてもらえたら幸いです。

では!

 

 


 

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