以前、別の記事でも言いましたが、今日はキャリアアップ助成金(人材育成コース)「評価シートの具体的な作り方」という話をします。ここまで具体的な作り方を載せているサイトは皆無ですが、かなり長文になってしまったので覚悟のない方はどうか読まないでください(まあまあ疲れます)。
さて。以前、別の記事で、訓練カリキュラムを作るためには、
①どういう人材に育てたいかという「理想像」を決める
②理想像に近づくために必要なスキルや知識を細かく書き出す(評価シート)
③そのスキルや知識を得るために必要な訓練期間と内容を考える(カリキュラム)
という3段階を踏んでいく必要があると言いました。今回は理想像を決めたあとの②評価シートの作り方についてお話するわけですが、まずはこれが実際に使う評価シートです。
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(クリックしたら拡大画像が見れます)
これ、何をもとに作ったのかというと、主にこの厚労省サイトから引用しています。(この先を読む前に必ずクリックしてください)
自動車整備、機械加工、営業、医療事務など、パッと見ていただくと分かる通り、上からズラッと職業名やら、職種名やらが表のように並んでいます。基本的には、この表の中から該当する職種、もしくは近い職種を選び、Excelデータをダウンロードします。
例えば、営業マンを育てるような訓練を実施したい場合「サービス分野」の中の「営業職」という文字をクリックしてください。そうすると自動的にExcelのダウンロードが始まります。2014年3月時点では「22」というタイトルのExcelファイルです)
※ここでは「営業職」で説明していくので、理解できていなくてもとりあえずダウンロードしてください。Excelを開くと、「カリキュラム」と「評価シート例」という2つのシートがあるので、まずは「評価シート例」というシートを見て下さい。このシートの内容をそのまま使ってもOKですし、アナタの会社の実態に合うようにアレンジしてもOKです。ただし、アレンジにはルールがあるので注意が必要です。
【 アレンジ(評価シート編集)のルール 】
①「Ⅱ 職務遂行のための基本的能力」という項目はノータッチ!!絶対にイジらない。
②「Ⅲ 技能・技術に関する能力 (1)基本的事項」は、特定サイトから必要な項目を引用する(具体例は後で)
③引用したら、「どこから引用したか?」をハッキリと明示する
④「Ⅲ 技能・技術に関する能力 (2)専門的事項」は、特定サイトから必要な項目を引用してもいいし、「自社基準」として、独自の項目を作ることも出来る。
⑤評価基準の半数以上を特定サイトからの引用とする(自社基準が多すぎるのはアウトという意味)
・・・・と、言われてもイメージが湧かないですよね。
という事で、イメージしていただくために、「とある税理士事務所」のために作成した評価シートの話をします。この税理士事務所ですでに支給された訓練で使ったモノなのですが、訓練は「税理士コース」として提出しました。
「未経験者を税理士事務所の職員として育てる」という前提で評価シートを作る必要があったのですが、残念ながらさっきの厚労省ホームページには「税理士」という職種はありませんでした。
ではどうやって税理士に特化した評価シートを作ったのかというと、「経理」という職種の評価シートをベースにして、「経理」+「財務管理」から必要な項目をつなげて作りました。そのつなぎ方を具体的に説明していきますね。
まず、「Ⅱ 職務遂行のための基本的能力」はさっきのルール通りそのまま使用。「Ⅲ 技能・技術に関する能力(1)基本的事項」も、この税理士事務所の業務と合っていたので、そのまま使用しました。そして「Ⅲ 技能・技術に関する能力(2)専門的事項 」の部分は一部カットしました。
・簿記
・財務諸表基礎
・原価計算基礎
・国際会計基礎
・国際税務基礎
という大分類が5つあったのですが、
「国際会計基礎」と「国際税務基礎」は、この税理士事務所の実務とは関係なかったため、この2つをカットしました。
そしてこの経理の評価シートに、「財務管理」の「Ⅲ 技能・技術に関する能力(2)専門的事項 」の一部を引っ張ってきて加えました。財務管理も、
・財務基礎
・国際金融
と、大分類が2つあったのですが、先ほどと同様「国際金融」はこの税理士事務所の実務とは関係ないためカットしました。
この税理士事務所のケースでは「自社基準」はゼロですが、その理由は、このケースの場合、ネット上に公開されていた評価基準がこの税理士事務所の実務と合っていたからです。もしも合っていなかったら自社基準を何個か足す予定でした。
たまに「自社基準は入れたほうがいいですか?」という質問をされますが、どちらかというと入れないように作るほうがいい(というか面倒くさくない)と私は考えます。
理由はカンタンで、自社基準だと「それが有効かどうかいちいち確認される」からです。引用先として指定されているところから基準を引っ張ってくればそんな確認をされる必要もないので、手続き時に時間短縮が出来ます。(自社基準が悪いという意味ではなく、使わなくて済むなら使わないほうが良いという意味です)
ちなみに、この税理士事務所で使った評価基準の項目数は全部で85個。かなり多く感じるかもしれませんが、意外とそうでもありません。
「こんなの訓練受けなくても出来るだろ」
という、ビックリするほどカンタンな評価基準もたくさんあるからです。なんにしても、評価シートに対して苦手意識をもつ必要はありません。仮に時間がかかったとしても、必ず作れます。どんな事業でもどんな職種でも、100%作れます。自慢にもなりませんが、ボクなら100%作れます。作れない場合は単純に「考え方を理解していない可能性が高い」だけです。
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