ものづくり補助金 歯科医院にとって大きなルール変更あり

本日の記事は、
 
・個人の歯科医院で
・今後、ものづくり補助金に申請する可能性がある
 
方を対象として書きました。
長文なので、対象となる方だけお読みください。
(もちろん、該当しそうな歯科医院さんとお友達という場合は、共有してもらえると嬉しいです)
 

 
ものづくり補助金に興味を持たれている歯科医院さんも多いと思いますが、今回、歯科医院にとって大きなルール変更がありました。
 
まず、ものづくり補助金は
「医療法人は申請できない(個人事業の歯科医院はOK)」というルールがありました。
 
これは、「医療法人はある種、国のものである。国のものに、国が補助金を出すのはおかしい」という考え方に基づいています。
 
では、今回追加されたルールが何か?それは下記になります。
 
●公募要領から抜粋
↓ ↓
○以下に該当しない事業であること。
(該当するとされた場合は不採択、採択決定の取消、又は交付決定の取消の措置を行います。)
・公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等との重複がある事業。
○ 以下の経費は、補助対象になりません。
・汎用性があり、目的外使用になり得るもの
(例えば、診療報酬・介護報酬を受ける事業に使用し得るものなど)の購入費
 
 
上記をイズミ的にカンタンに言うと、
 
【 今後、ものづくり補助金の対象となり得るのは”純粋な自由診療(自費診療)だけ”】
 
という事、
 
 
逆に言うと、
 
【 保険診療に関わる設備や事業には、補助金は出さない 】
 
という事です。
 
 
では、【 純粋な自由診療 】とは何でしょうか?
具体例で説明します。
 
 
< 純粋な自由診療 = 補助金が出る可能性がある >
・1,000万円のインプラント設備を購入し、
 それを100%自由診療に使う。保険診療には絶対に使わない。
 
➡これは補助金対象となる可能性が高いです。
 
 
< 純粋な自由診療といえない = 補助金が出ない >
・1,000万円のマイクロスコープを購入し、
 診療の精度を上げる。自由診療に9割使うが、1割は保険診療にも使う。
 
➡これは確実に対象とならないでしょう。
 
1割であっても、1%であっても、保険診療に使っている時点で対象外になると思います。
 
「保険診療に使います」という事業計画だと、申請しても採択(合格)されないですし、仮に間違って採択されても、交付申請時点で「採択の取り消し」になるでしょう。
 
 
一方、「この事業は完全に自由診療です」という計画で採択されたとしても、その後、
【 本当に自由診療にしか使わなかったか?の証明 】をする必要があります。
 
補助金が振り込まれた後に「実際には保険診療にも使っていた証拠」が出ると、おそらく全額返金になるくらいに考えたほうが良いです。
 
このあたり、ルールがはっきり決まっていませんが、レセプトとか、いろんな資料を提出しろと言われるんだろうなと思います。
 
 
ちなみに、今回のルール変更を受けて「医療機関は全部対象外じゃないか!」と言う人もいますが、私はそこまでは考えていません。
 
ルールブックに「医療法人はダメ」とはしっかり書かれているんだから、本当に医療機関を完全に対象外にしたいなら、最初から「医療機関は対象外です」と書くはずです。
 
わざわざ「公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬はダメ」と書いているという事は、「そうでないなら対象となり得る」という事です。

 
以上、長くなりましたが、
 
「歯科医院は今後、保険診療に関わる事業だと申請できない」という事だけは覚えていただくのが良いでしょう。
 
※過去に採択された歯科医院さんには影響ありませんので、ご安心を。
 
 
< 補足 >
 
ルール変更の理由は「保険診療という、ある種、国からの補助を受けているのに、さらに補助金をもらうのは二重取りだ」という趣旨です。
 
もともと、ものづくり補助金は、歯科医院やサービス業は対象外でした。
 
それがある時「サービス業や医療機関もOK」となったのですが、その時も「保険診療を受けている医療機関に補助金を出すのはおかしい!」という議論があったそうです。
 
そういう意味で言うと、「厚労省の助成金も二重取りで、今後なくなるの?」という気持ちになりますが、いずれそうなるかもしれませんね。
 
今後歯科医院には、「補助金、助成金に頼らない経営」が求められるようになる、と言えるのかもしれません。
 

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