【2026年春闘】賃上げ率4.69%予測――中小企業の約7割が「防衛的賃上げ」で人材流出を防ぐ。企業規模別格差と持続可能な賃上げ戦略

はじめに

Facebookや別サイトでは毎日投稿していますが、公式ホームページでは久しぶりの投稿です。 まず、泉はバリバリ生きてます(笑) さて本題です。2026年2月、労務行政研究所が発表した最新調査によると、2026年の賃上げ率は平均4.69%(定期昇給込み)と予測されています。

2025年の実績5.25%からは若干ペースダウンするものの、依然として高い水準を維持する見通しです。

しかし、この数字の裏には「企業規模別の格差」と「中小企業の苦境」が隠れています。特に、賃上げ予定の中小企業の約7割(68.8%)が「業績改善なしで賃上げ実施」と回答しており、人材流出を防ぐための「防衛的賃上げ」が主流となっています。

本記事では、2026年春闘の最新動向、企業規模別の賃上げ格差、中小企業が今すぐ取るべき対策を、実例を交えて詳しく解説します。


1. 2026年春闘の賃上げ率予測:4.69%

主要調査機関の予測

労務行政研究所の2026年1月調査によると、2026年の賃上げ率は定期昇給を含めて平均4.69%の見通しです(東証プライム上場クラス)。

  • 労働側(組合など)の見通し:4.78%
  • 経営側(企業側)の見通し:4.51%

労働側のポイントが高めに出るのは、組合が連合目標(5%以上)を意識する一方、経営側がコスト抑制を優先するためです。この差が交渉の原動力となり、最終的に妥協値で決着します。

  • 第一生命経済研究所:5.20%
  • 浜銀総合研究所:5%弱
  • 日本経済研究センター:4.88%
  • 伊藤忠総研:4%台半ば以上

ベアと定昇の違い

前述した2026年春闘の賃上げ率4.69%は「定期昇給込み」の数字です。

ベースアップ(ベア)とは、個人の年齢や勤続年数に関わらず、企業全体の給与水準を一律に引き上げ、基本給を底上げすることです。これは主に物価上昇への対応を目的としています。

定期昇給(定昇)は、勤続年数や年齢、役職の向上といった個人の状況に応じて、あらかじめ定められた賃金体系に基づいて給与が上がる仕組みで、毎年自動的に増える分を指します。

一般的に「賃上げ率」として語られる数値は、この定期昇給分とベースアップ分を合計したものです。


2. 企業規模別の賃上げ格差――大手5% vs 中小13.3%

労務行政研究所の調査では、賃上げ率の分布として「5.0〜5.1%」と回答した企業が労働側で24.8%、経営側で31.1%と最も多くなっています。

平均は4.69%ですが、これは3〜4%台の企業も含めた数値であり、大手企業では5%前後の賃上げが主流となる見込みです。

一方、日本商工会議所調査によると、2026年度に5%以上の賃上げを予定する中小企業は13.3%にとどまっています。3%以上は50.1%と半数を超えていますが、その多くが業績改善なしでの賃上げです。

企業体力による二極化が進んでおり、2025年実績が高い企業は2026年も5%前後を維持する傾向がある一方、体力の弱い企業は政府目標に届かない見通しです。


3. 「防衛的賃上げ」とは?

防衛的賃上げ」とは、業績が改善していないにもかかわらず、人材流出を防ぐために賃上げを実施することを指します。

  • 大手との賃金格差拡大
  • 人手不足倒産リスクの増加
  • 価格転嫁の困難

特に中小企業では「人材確保のためのコスト」として賃上げを行わざるを得ない状況が広がっています。


5. 中小企業が今すぐ取るべき3つの対策

① 価格転嫁の本気交渉

2026年1月施行の「中小受託取引適正化法(取適法)」を活用し、価格転嫁を本格的に進めることが重要です。

  • コスト増を数値化
  • 客観データの提示
  • 段階的値上げ提案

価格転嫁成功企業では、5%以上の賃上げ実施と離職率低下が実現しています。

② 福利厚生の活用で実質手取りアップ

2026年度税制改正大綱では、食事補助の非課税上限が7,500円(税別)へ引き上げ予定です。

給与として支給するよりも税負担を抑えられ、実質手取り増につながります。

③ 生産性向上と業務効率化

AI・RPA活用、業務マニュアル化、クラウド化により業務時間を15%削減できた企業事例もあります。

「人を増やす」から「人に依存しない構造」への転換が鍵です。


まとめ

2026年春闘は「二極化」が鮮明になる年です。
大手企業が5%前後の賃上げを実施する一方、中小企業は厳しい選択を迫られています。

しかし、価格転嫁・福利厚生・生産性向上の3本柱で、持続可能な賃上げは実現可能です。
今日から自社の賃上げ戦略を見直し、従業員が「ここで働き続けたい」と思える職場づくりを始めましょう。