おはようございます、泉です。
本日のメルマガでは、私(泉)が実際に相談を受けた事例をご紹介します。
以前、顧問先の院長先生から、次のような相談をいただきました。
「いつも、定時を過ぎても、勝手に意味のない業務をやっているスタッフがいる。
タイムカードには残業時間が記録されているが、納得いかない。
この場合、残業代を支払うべきだろうか?」
このケースは、多くの歯科医院で起こり得る問題です。
支払うべきかどうかは、実は回答が難しいです。
端的に言うと「打刻記録が残っているなら、いったん支払うべき」と考えます。
仮に労基署の調査が入った場合、「支払いなさい」と言われると思いますし。
ここで重要なのは「今回、支払うかどうか」よりも、
“残業のルールと運用状況の確認”です。
「意味がない残業」かどうか、
院長とスタッフで認識を揃える必要もあります。
●1. 残業のルールを明確にしていますか?
まず、院長先生に以下の点を確認しました。
・残業には事前申請が必要というルールを決めているか?
→ 残業申請が必要であれば、その手順がスタッフに周知されていますか?
・どの業務なら申請なしで残業が認められるのか?
→ 例えば、急患対応や緊急の業務など、具体的な明示はありますか?
「翌日でも良い業務」と「そうでない業務」は分けていますか?
・「定時で退勤」という方針が、現実的に守れる運用になっているか?
→ 診療が終了する時間や片付けにかかる時間を考慮して、
定時退勤が可能なスケジュールになっていますか?
●2. 定時退勤を実現するための具体策
例えば、18時が定時なら、「片付けを含めても18時に退勤できる仕組み」が必須です。
しかし、実際には次のような問題が起こりがちです。
・診療が18時00分まで続き、片付け開始が定時を過ぎる
・ギリギリまで予約を受け付けるため、スタッフが疲弊する
・スタッフが「やり残した業務がある」と感じて勝手に残業する
当社の顧問先様では、下記のような対応をされています。
1) 最後の診療予約の時間を見直した
例えば、18時定時の場合は診療の最終アポを17時15分スタートまでとする。
そうすれば片付けを終え、定時退勤が可能になります。
2) 残業の事前申請ルールの徹底
事前申請を必須にし、許可を得た業務以外では残業を認めない。
申請手順をシンプルにし、スタッフが負担なく申請できる形にすることが重要です。
3) 不要な残業の原因を取り除く
スタッフが「この作業も必要」と勝手に判断して残業している場合、
業務の優先順位や無駄な作業を見直すべきです。
定期的に業務内容を精査し、効率化を進める必要があります。
●3、まとめ
今回のケースでは、院長先生に「診療スケジュールの見直し」と
「残業ルールの周知」を行っていただきました。
結果として、残業時間が大幅に減り、
スタッフの労働環境も改善されました。
残業はスタッフの労働環境や医院全体の運営に大きな影響を与えます。
「ルールを明確にし、現実に即した運用を整える」ことで、
不要なトラブルを未然に防ぐことができます。
今回のように、診療スケジュールや残業のルールを見直すことで、
医院全体の効率化やスタッフの満足度向上が期待できます。
もし同様のお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください!
次回も、歯科医院運営に役立つ情報をお届けします。
今日も素晴らしい一日をお過ごしください。
泉正道
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