補助金申請サポート、依頼してはいけない専門家

2021年9月4日

先日、大手SNSでつながった方から、大型補助金に関する相談がありました。

結果的に当社に依頼をしていただく事になったのですが(要件確認をして、申請できそうなら正式に進める)、今日したいのは「SNSって本当に素晴らしい!」という話ではありません。

5月に出版した電子書籍でも書いたのですが、「依頼してはいけない専門家」について話したいと思います。
カンタンに言うと、その方が「依頼してはいけない専門家に依頼してしまっていた」という話です。



その方に、私に相談してくださった経緯を聞くと、
「某有名補助金サポートサイトでものづくり補助金の依頼をして、4回申請して4回とも不採択だった。内容に不満がある・・・」
という事でした。

ものづくり補助金も事業再構築補助金も、もっと言うと小規模補助金もIT補助金も採択率は30~60%くらいだから、4回出して4回不採択というは仕方がありません。

当社がサポートしたからといって、確実に採択されるという保証はできませんし、補助金の結果は水物だと思っています。

その方も、結果についてだけ不満を感じているわけではなく、「サポートの内容が変じゃないか」という相談でした。

ZOOMで細かくサポートの内容を聞かせていただいたら、「それ、明らかに全力を出していない(超テキトー)よね?」というものでした。
 

「某有名補助金サポートサイト」がサポートした内容のうち、問題点は下記の通りでした。

①審査員のコメントを確認していない
②経営革新計画の話をしていない
③申請書を作る中小企業診断士と直接やりとりが出来ない
④電話もメールも繋がらず、2〜3週間放置は当たり前
⑤事業再構築補助金の話をしても「あの補助金はデータが少ないから」と検討もせず断る

「①審査員のコメント」とは、申請者本人が事務局に電話をすると、審査員のコメントを全文教えてくれるというものです。1次公募で不採択だった場合、次の公募に再チャレンジするためにコメントを確認するのは当たり前です。

審査員のコメントは、ヒント、改善策の宝庫ですから。審査員のコメントを(問題点)をすべて消していったら、それだけで採択率は10~20%上がるくらいの感覚。コメントを確認しないなんてあり得ません。

だから再チャレンジを希望する方には、「お手数ですが、事務局に電話をしてもらえますか?」と案内します。ただ、彼らはその案内をしなかった(4回目の不採択後、初めてその話が出たそうです)。これは、単純に、知識がなかったのだと思います。知っていたら言いますから。

「②経営革新計画の話をしていない」については、知ってはいるもののノウハウが無かったのだと思います。ノウハウがあれば、まず経営革新計画の承認を得られるかどうか、少なくとも”検討”はします。

その企業がある地域で、過去の経営革新計画に似たものがないか確認するとか。役所に電話をしたり役所の担当者に会って、相談するとか。
経営革新計画の「け」の字も出なかったそうです。

「③申請書を作る中小企業診断士と直接やりとりが出来ない」について。このサービスでは、代表者のナントカさんとはやり取りは出来るのですが、申請書を書くのはナントカさんではありません。中小企業診断士とは行政書士らしいのですが、当然、書類を書く人と直接やり取りしたほうが速いし、確実です。ただ、直接のやり取りをさせてくれないと。「私のほうが●●分野に詳しいですから」という謎の理由で何度言っても断られるそうです(;^_^A

当社でも中小企業診断士さん、行政書士さんと一緒に書類作成をしますが、チャットワークグループを作りますし、直接のやり取りはもちろん可能です。

ナントカさんが直接のやり取りを禁止する理由は何だと思います?
私の考えだと、「直接やり取りをしてもらったら、次の仕事で直接依頼される」という事だと思います。間に入ってマージンを取っているから商売が成り立っていますが、直接のやり取りをされると、そのナントカさんは不要です。

ナントカさんが間に入っているせいもあってか、返信も遅いし、そもそも書類データもくれないそうです。普通、我々は進捗状況を報告し、「今こんな感じですけど、どうでしょうか?」と確認のために申請書を見ていただきます。が、ナントカさんは2、3回、請求して、ようやくくれるらしいです。

「④電話もメールも繋がらず、2〜3週間放置は当たり前」については、そのままです(笑)ひどすぎますね。

「⑤事業再構築補助金の話をしても「あの補助金はデータが少ないから」と検討もせず断る」については、気持ちは分からんでもないけど、その断り方をするなら専門家をやめたほうが良いと感じました。

事業再構築補助金は2021年に始まったばかりの補助金で、まだ1回目の結果しか出ていません。そういう意味で、ものづくり補助金と比較して出ているデータは多くないです。

ただ、ものづくり補助金と似ている部分が多々あります。やる事も似ているし、傾向もある程度は読めます。そして、データが少ないとしても、ルールは明確に出ていて、申請するうえで全く支障はありません。

今も、『この部分、これでいいかなあ?』と、多少の不安を抱えながら申請しています(それは始まったばかりの補助金を出すときの宿命です)。
このあたりは、補助金の経験豊富な人なら分かる話ですが、この感覚がないという事は「そもそも、ナントカさんには補助金の知識、経験が大きく不足している」と言わざるを得ません。


この補助金サポートサイト、外見はとってもとっても素敵です。詳しくない人が見ると、

「すごい!」
「ここに依頼したい!」

と、思わせるような構造。
、、、なのに、中身はカラッポなようです。誇大広告と言っても良いでしょう。

一言で言うと、「補助金や助成金について何も知らない素人が作った、質の悪い紹介サイト」です。
 

ここには多くの行政書士、社労士、中小企業診断士が関わっています。紹介サイトもピンキリで、補助金や助成金に詳しい人(士業)がやっている紹介サイトはアリだと思います。

営業会社がやっている紹介会社は、ほとんどが「いかに儲ける仕組みを作るか」に重点が置かれていて、関わる人はほとんど幸せにならないと、経験上思います。

なので、これから色んな紹介サイトを利用する場合は、運営者がどういう人かを見るのも良いと思います。


< まとめ >

ここでそのサイトの実名をあげる事もしませんし、ダメな紹介会社を探したりもしません。
こういう良くない組織、団体から中小企業を守るために我々が出来る事は、

・自分を磨く
・受注体制を強化する(もっと件数を増やせるよう)

このような事に尽きます。それが結果的に、依頼してはいけない専門家を減らすことになると信じます。
・・・とてつもなく、微力ですがw


冒頭でも少し触れましたが、補助金の申請サポートを依頼すべきでない専門家や、申請時の注意点やポイントなどをわかりやすくまとめた書籍を今年5月に出版しました。

これから補助金の申請をお考えの方にはぜひとも読んでいただきたい1冊です!

                 
2021年5月出版「中小企業のための事業再構築補助金採択必勝ガイド」kindle版

レビューなどもぜひ気軽に書いてくださいね!

それでは!

 

 


 

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