労働法違反のリスクマネジメントセミナーを受講しました(まとめと感想)

2021年2月4日

おはようございます、泉です。

昨晩、18時から、元労働局監督官の弁護士・西脇氏による
「労働法違反によるリスクマネジメント」的なオンラインセミナー(2時間)を受講しました。

内容を、私の感想と合わせて簡単にまとめると、

・全国の労働監督官は急増している(取締りが強化される)

・監督官の調査には、①定期的なものと②従業員からの申告によるものがある。

・全国規模の会社の労働違反は特に狙われるし、公表もされやすい

・小規模事業者でも、重大事件(死亡事故や労災うつ認定)は、厳しく調査される

・労働法違反によるリスクは、①行政罰(業務停止など)、②刑事罰(罰金、懲役)はもちろん、③民事訴訟(従業員から訴えられる)、④社会的な制裁(イメージダウン)等がある。

・2020年4月から、賃金債権の時効が3年に延びたが(以前は2年だった)、近い将来5年になる(民法改正とリンク)

・36協定を締結せずに残業させるのはNG

・36協定届の内容を超えての残業も、内容によるが良くない(過労死レベルだと厳しい指摘がされる)

・だからと言って、タイムカードの改ざん等はもっと良くない

・「労災事故隠し」は絶対にやめたほうがいい(悪質なものでない限り、労災事故にペナルティは無い)

・有給休暇は「有給休暇を取った事に対して賃金を支払わないケース」が多く、すでに何件か書類送検されている(例:病欠し、有給休暇を使いたいと言ったのに、欠勤控除するとか)

・有給休暇の取得は労働者の権利である以上に、会社の義務(会社が、率先して消化させるもの)

・「有給休暇を使いたい」と言ってきた従業員に、使わせない事は絶対NG。可能なのは「有休消化の時期を変えてください(時季変更権)」だけ。

・時季変更権を使うにも、当然、合理的な理由がいる

・有給休暇はパートにも与えられる(日数は少ない場合あり)

・有休がある事を就業規則や雇用契約書に記載し、有休管理簿を用意、保存と、「必ず年に5日以上は消化させる」という決意が必要

・奴隷契約のような契約で働かせるのも当然アウト

・複数事業所、複数店舗がある会社の場合「現場任せ」にする事が多く、ムダな残業が多くなりがち(勤怠システムがあったほうがいい)

・経営陣の意識、言動が変わらないと、現場(従業員)は絶対に変わらない

と、こんな感じです。

 

社労士が言う事ではないかもしれませんが、労働法を完璧に守る事はほぼ不可能だと思います。
おそらく、労働法を全て遵守している企業(上場企業は除く)は、日本全体の1%もありません。

ただ、「出来る限り遵守している(しようとしている会社)」となると80~90%はあると思います。

・繁忙期に人出不足で、どうしても残業時間がオーバーしてしまう。
・人出不足で、どうしても有給休暇を年間5日は消化させてあげられない。でも頑張って3日くらいは消化させている。

このような会社に対して、労基署がいきなり罰則を与える事は倫理的に無いでしょう
(全国展開している会社や、従業員100人以上とかになると、労基署の気合も変わりますが)。

問題は、残りの「出来る限りの事もやっていない(やろうともしていない)会社」です。
この投稿を読んでいる方にはそのような会社はありませんが、これに該当すると、大きなリスクが生じるとお考え下さい。

ちなみに、残業時間の管理、削減については、ジョブカン、freee、
マネーフォワードなどの「クラウド勤怠」が非常に有効です。
「残業時間の分析」が容易に出来るのが大きな理由です。
(同じ日の16:00には、クラウド化に関するセミナーを受講していました)

分析をして、残業が特に多い従業員には理由をヒアリングし、指導する。
そうする事で、ほとんどの場合残業が削減するという結果が出ています。
(分析結果を従業員に見せてあげるだけでも効果があります)

クラウド勤怠は、どのサービスでも1人月額100~200円程度かかりますが、
残業を1人15分減らす事ができたらお釣りが出ます。

リモートワークにも対応できますし、出勤している、していない等も、
離れた場所から容易に確認できるなど、メリットしかありません。
政府は急速に電子化を進めています。
今後、電子化に対応できない企業は、人件費、採用など、あらゆる面で損をすると思います。

クラウドサービスは日々進化をしているため、私も全てのサービスについて理解しているわけではありませんが、
全体像、導入効果、他の業務との連結など、アドバイスできる事はたくさんあります。

クラウド勤怠を導入、検討されたい方、各種労働問題についてお困りの方、ぜひ当社まで遠慮なくご相談ください。

では!

 

 


 

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