2ヶ月ぶりに仕事を断りました(大型補助金の勘違い)

2022年3月8日

 

こんにちわ、行政書士、社労士の泉です。

補助金の相談を受ける中で、「あら?この会社(経営者)はマズいな・・・」と思う事がたまにあります。今日はそんな話を1つ。これ、補助金の採択率にも関わるような大事な要素も含まれているなので、これから申請する方はぜひご覧ください。

当社には日頃から多くの相談がありますが、そのうち年2~5件くらいは”怪しい案件”です(笑)

”怪しい”というのは、ズバリ、次の①か②に該当する「不正申請」です。

①ウソの決算、ウソの確定申告を行っている
②補助金対象設備にウソが多すぎる

①は、たとえば実際の売上は3,000万円なのに、確定申告上の売上が1,000万円(大胆な嘘の申告をしている会社)とかです。事業再構築補助金の売上減少要件を満たすため、売上の改ざんをしているという事です。おそらくこういう会社は、「持続化給付金」「家賃支援補助金」の不正申請もしていますので、関わってはいけません。

 

②は、「本来300万円で買える機械設備を、600万円に見せて補助金が多く取る」という方法です。

おととい依頼をされて、最終的に断った経営者は②でした。

過去、大型補助金を何十件も申請してきた立場から言うと、正直、機械設備やソフトウェア費用の金額は、ある程度幅があって仕方ないと思います。

というか、為替、燃料代、原料代の高騰など、たとえば1月時点で300万円だった機械が、半年後には330万円(1割UP)になるなんて事は多々あります。ただ、”半年で2倍”になる事は普通あり得ません。

おととい会った経営者は、私が細かくヒアリングしていくと「見積書の金額は600万円だけど、本当は300万円です」と、自分ではっきり言っていました(苦笑)。

彼らがやりたいのは、いわゆる「補助金を使ったキャッシュバック(キックバック)」という詐欺手法です。具体的に解説します。

たとえば、対象経費の3分の2が出る補助金があるとします。そして、機械の販売業者をX、中小企業(補助金を受け取る企業)をY社とします。

本来の金額だと、

・Y社が支払う機械代金(=X社の売上):300万
・Y社が受取る補助金:200万
・Y社の手出し:100万

です。補助金は「対象設備の一部」にしか出ないので、手出しがあるのは当たり前です。

では、これが「600万円」だとどうなるか?

・Y社が支払う機械代金(=X社の売上):600万
・Y社が受取る補助金:400万
・Y社の手出し:200万

『なんだ、ただ2倍になっただけじゃないか?』と感じますか?いえいえ、全く違います。残念ですが、この仕組みはここで終わりません。続きはこうです。

・X社からY社に、お礼として200万円が戻される(キャッシュバック(キックバック))

それにより、最終的にどうなるかと言うと、、、

・Y社が支払う機械代金(=X社の売上):400万 →本来より100万多く儲かる
・Y社が受取る補助金:400万
・Y社の手出し:200万 →X社からのキックバックで相殺されて0円に!

つまり、業者Xは通常より100万円多く売上をゲットでき、Y社も手出し0で事業ができます。バカな不正です。

このやり方は、よくある手法です。このような話をしてきた経営者が過去に何人もいたから分かります。たぶん、私が出会った不正経営者は「氷山の一角」であり、全国的に見たら何百件もいるのだと思います。そして、そのうち一部だけが書類送検されると。

当社では、不正に気付いたら「これだと不正になりますよ」と、ストレートに伝えます。その時点で99%は断ります。たまに、相手が「やばい!」と感じるのか、電話を切られる事もありますが(苦笑)。

不正がダメと言う事だけでなく、私はこうも感じました。

『この人ら、マジで補助金の素人だな』と。

補助金の審査員は、可能な限りで「対象設備の相場」を調べます。とは言っても、

・土地
・ネットに情報がないようなニッチでマニアックな機械

などは調べようがありません。ただ、今回、私に相談があった中小企業は「海外用の冷蔵、冷凍コンテナ」を買おうとしていました。冷蔵、冷凍コンテナなんて、ニッチでもマニアックでもありません。ネットで一発です。

しかも今回は、ご丁寧に型番まで記載があったので、ネット検索で「相場は300~350万」と30秒で見つかりました。

第4回の事業再構築補助金で不採択だったので、第5回に再チャレンジしたいという事だったのですが、まあ不採択になって当然です。

相場を逸脱した金額の事業計画。こんなの、審査員が見たら「多めに見積もって、補助金を多く取りたいだけだろう」と思われて、不採択で終了です。それが理解できていない人が本当に多い。

 

当社では、補助金のルールとは関係なく、経営者から2社以上の見積書を取ってもらっています。

「いやいや!業者選定理由書があれば、1社からの見積書で足りるでしょ?」と、まるで素人に毛が生えたような発言をされそうですが、ふざけるなと一蹴します。

当社が2社以上から見積書を取ってもらう理由は下記4つです。

①経営者の本気度をはかるため(1千万単位の補助金をもらうのに、たかだか2社の見積書も取れない経営者の依頼は受けられません)

②リアルな相場を知るため

③不正を防ぐため

④同じ製品なら、安く買える業者から買ってもらうのが当然だから(補助金の原資は国民の血税)

 

今回は、行政書士会経由の依頼という事もあり「なるべく受ける方向でいこう」と思っていたのですが、無理でした。ここには書かないですが、おかしな点や小さなウソが次から次と・・・。

このブログは、おそらく社労士、行政書士など「補助金申請を頑張りたい人」も多く見ていると思いますので、1つだけアドバイスします。

話の途中で不正のニオイが少しでもしたら、いったん受けるのを保留にしてください。そして、あなたの周りにいる行政書士や社労士の諸先輩方に相談してください。おそらく適切なアドバイスをしてくれます。

もし具体的なアドバイスがなかったら、私にお電話してください。目先の売上も大事ですが、「信用」のほうがもっと大事です。不正な中小企業に関わると信用を失うだけでなく、資格も失う事になりかねません。

今日は以上です!


 

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